友人のすみさん(@anemonegarland)の短歌と俳句に、挿絵を入れています。

望月を眺めるきっといつかの日しずかの海で少しあそんだ

しづかに歩みゆきたり誰そ彼と問ひ続けるように雲のキャラバン

墓地の横
枯れ葉踏み踏み
夏なのにこんなにも葉は死ぬのかと思う

久しぶりにさるすべりみて
久しぶりにかつえるという言葉がよぎる

断面を
思い出せないトルティージャ、
あんなに毎日焼いていたのに

朋輩たちの喊声に押され今その背を裂ける蝉のおさなご

かすがいになりたいわけじゃないけれど
きっとそれは今世の課役

何もしない何もしない
くちなしの花もいつしかぐずぐずになり

丸善に置かれたレモンを思い出し夜空に浮かぶ琥珀をかじる

ランチ前、アオスジアゲハのなきがらに弔意未満の意識を向ける

脳みそがふんわりしてる
今月は傘を2本もなくしてしまった

煙草吸いダブルバインドのガムテープぺたりと貼られたのを眺める

紫陽花の祝祭告げよ雨しずく

たぶんずっと見えぬ戦いをしている
中庸ばんざい日がまた終わる

すずかけの木肌を登る守宮(やもり)
その魔法のような指先をみる

ゆくりなく守宮にまみゆ夜道かな

公園のそばで白詰草たちの展覧会が開かれていて

春の雨のいよいよ打てり伽藍堂

われ先にとつつじの花が目を覚ます

頚木よりのがる夢みし春暁に

喪失も喪失と泣けるだけ幸せか月は何も言わない何も

少し欠けたとりのこ色の月が来て冬の終わりがさやかに光る

ぼた雪の空見上げれば吸い込まれ

来世ではトゲアリトゲナシトゲトゲになり葉を食べてぼんやりしたい

キラキラと齟齬とに塗れ冬木立